味噌作りガイド ①

手作り味噌の造り方

読むと難しく感じるかも知れませんが、やってみると味噌作りは意外に簡単です。要は、煮て潰した大豆とこうじ(麹・糀)と塩を混ぜて数ヶ月間置いておくだけ。あとは自然に発酵を始めて熟成し、見慣れたあの味噌になります。

元来は下記の通り、大豆を煮ることから始めるのが味噌作りですが、伊勢惣ではより簡単に『まぜるだけ』で味噌の仕込みができる手前みそ材料セット(すり大豆タイプ)を作りました。

  1. もどす生の硬い大豆を洗い、水に漬けて戻す
  2. 煮る水を吸った大豆を煮る
  3. 潰す煮て柔らかくなった大豆を潰す
  4. 混ぜる潰した大豆に塩とこうじ(麹・糀)を混ぜる
  5. 発酵混合した味噌を保管容器に移し、発酵熟成させる
洗った大豆をタライに入れ、水を張って漬けているところ

もどす

生の硬い大豆を洗い、水に漬けてもどします。

★ 上手く造るコツ・心得
  • 大豆の吸水には十数時間かかるので、充分に水を吸わせる為、この作業は仕込み前日に行うべし(寝ている間に大豆が膨れる寸法)。
  • 大豆表面の塵や埃を取り除くためにも、両手の平で大豆同士をこすり合わせるように洗うべし。
  • 大豆は水に触れると急速に水を吸って表面が柔らかくなり、作業がしにくくなるので、洗い作業はテキパキとすべし。
  • 大豆は水を吸うと2倍に膨れるので、漬けてる間に大豆が水面から顔を出さないよう、タップリ目の水に漬けるべし。
浸漬した大豆を鍋に入れて煮ているところ

煮る

水を吸った大豆を煮ます。

十分に水を吸った大豆を鍋に移し、大豆が隠れるくらいに水を入れて煮る。鍋なら数時間かかりますが、圧力鍋ならば数十分で煮えます。

重要!圧力鍋使用の場合、豆類を入れる上限が決まっていることがあるので、圧力鍋内部の上限線を確認し、取扱説明書をよく読むことをオススメします。

最初は強火で、沸騰したら弱火に。火力は表面の大豆までキチンと煮えるよう、常に少しコトコトと対流する程度を保ち、アク(白い泡)を取り除きながら、途中で水が減って大豆が頭を出したら水を足す(差し水)。鍋の場合は、フタや落し蓋をすると最小限の火力と水で煮られるでしょう。

目指す煮加減は、豆の中心部分まで火が通って柔らかく、芯が無くて潰し易い状態。親指と小指で挟んで楽に潰れるくらいと言われています。食べてみてコリコリ感があると上手く味噌にならず、ボソボソした味噌になってしまいます。

煮てる間はタライで麹と塩を混ぜ(塩切り麹といわれる)て時間を潰しましょう。大豆が煮えたら笊(ざる)や穴あきオタマで豆だけを漉し取る。残った煮汁はあとで硬さ調整に使うので捨てずにとっておく。

★ 上手く造るコツ・心得
  • 豆を煮ると灰汁(アク)が出るが、鍋の場合は煮ながら掬い取り、圧力鍋の場合は蓋を閉める前に一度沸騰させて泡の部分を掬い取る方法もある。
  • 鍋使用の場合の火力は、強過ぎると燃料費がかかるし水も蒸発し易く、弱過ぎると上の方だけ冷めてしまう。上から下まで均一に、より弱い火力と少ない燃料で長時間煮るためには、落とし蓋をすると小さな火力で煮続けることができる。
煮た大豆を潰しているところ

潰す

煮て柔らかくなった大豆を潰します。

潰す方法には、次のような方法があります。

  1. 厚手のビニール等に入れ、軍手をした手の平や足で潰す方法。
  2. 口が広くて浅く丈夫な手鍋などに移し、擂粉木(すりこぎ)やポテトマッシャー等の棒状のもので突く方法。
  3. 市販の手回しミンチ機等で挽く方法。

道具を使わず手作業で潰す①②の場合は、柔らかいうち(温かいうち)に潰すのが楽でしょう。

出来もそれぞれ特徴があります。

  1. は、潰している最中にビニールが破けることがある(けっこう破れる)が、潰し残しが少ない。
  2. は、粒を残しがちになります(食べるに問題は無し。これが手作りらしさという人もあり)。
  3. は最も確実ですが、ミンチ機購入費がかかるので、今後の継続的な使用が見込める方向けと言えるでしょう。ちなみに、ミンチ機使用の場合は先に塩切りこうじと混合する方が大豆と塩切り麹が混ざり易くてオススメ。その際には必ず煮えたばかりの熱い煮大豆を60度以下まで冷ましてください。
潰した大豆と塩切り麹を混ぜ合わせているところ

混ぜる

潰した大豆に塩きり麹を混ぜます。

タライや鍋を使い、潰した大豆と塩きり麹をムラなく混ぜます。この時、煮汁を使って硬さが「耳たぶ程度」になるように調整をする。

★ 上手く造るコツ・心得
  • ムラができると発酵にもムラができると考えられるので、できるだけムラ無く混ぜるべし。
  • 伊勢惣の麹は乾燥麹なので、事前に水で戻さずに直接に潰し大豆と混ぜると、潰し大豆の水分を吸って硬くなります。よって、煮汁を加えて適度な(重石を乗せるに適した)硬さに調節すべし。水分が少なくてパサパサだと発酵熟成が悪くなり、多くてユルユルだと重石が沈むと考えられます。
麹を混ぜた大豆を仕込み容器に移しているところ

発酵

混合し、混ぜ合わせた大豆を甕(かめ)やタッパーなどの保管容器に移し替え、数ヶ月間発酵熟成させます。

混合した味噌の中から空気を抜くように握って味噌玉を作り、保管・貯蔵用容器の底に投げ入れては空気を抜くように均しながら詰めていく。全てを詰め終え表面を平に均したら、容器の口付近に付いたものは拭き取り、35度焼酎を仕込んだ味噌の表面に噴霧して殺菌し、ピッチリと表面にラップを貼って押し蓋を敷き、重石を乗せ、埃や虫等が入らないように新聞紙等でシッカリと蓋をしてどこか日の当たらない涼しいところに保管する。後々の工夫の為に、蓋に仕込んだ日付や材料量や比率/割合などを書いておく。

これで仕込み味噌の完成です。発酵・熟成の様子は「② 味噌の発酵と熟成」へ。

★ 上手く造るコツ・心得
  • カビ防止の為、味噌玉の中や詰め込んだ混合味噌内の空気はできるだけ抜くべし。
  • 容器の口や器壁に付着したものはカビ易いので、必ず拭き取るべし。
  • ラップを貼るのもカビ防止の為だが、それでも空気に晒されてしまう隅の方にはどうしてもカビが出来てしまうので、別の味噌を塗ることでカビ増殖を抑える方法もある。
  • 重石に自然石を使う場合は熟成期間中に石が潜っていってしまうので、木製等の押し蓋を敷いてからその上に乗せるべし。ただし、市販されている味噌・漬物用の陶器製の平らな重石は重石と押し蓋を兼ねているので押し蓋は不要。
  • 重石を使わないでも味噌はできるにはできるが、時を経るほどに上下に分離してしまうので、分離しないくらいの重さに調節できたら上手い。重石が軽いと上に固形物・下に液体と分離し、重いと反対に上に液体・下に固形物と分離し、重石が水没してしまう。ちょうど良いのは、仕込み味噌表面にうっすらと水分が上る程度。
  • 発酵が進むほどにアルコール臭がしますが、これは異常なことではなく、むしろ雑菌繁殖を抑えてくれる。よって、この段階に来るまでにできるだけ雑菌が繁殖しないよう工夫すべし。

最終更新:

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